お寺の手帖

「お寺の手帖」は暮らしの中で役に立つお寺の知識や、宗派や尊像など、
みなさまが興味をもたれるお話を当寺住職がわかりやすく説明します。

今月の聖語 令和4年1月

2022年2月1日(火)

人は善根をなせば必ず栄う

日蓮聖人御遺文「上野殿御返事」

解説  〜善根を積もう〜

新年おめでとうございます。
喜びごとがあると、まず「おめでとう」と言いますが、その語源を辿ると、諸説の1つに「賞賛する」意味の「めで(愛で)る」に甚だしい様を示す「いたし」が付いて「めでいたし」となり、それが縮まって「めでたい」となったそうです。つまり大いに褒め称えるべきことなのです。
ならば「めでたい年」にするには人頼みではなく、自ら称賛値する善根を積む努力が重要になります。その心がけの第1歩はすべてに向かって謙虚になることではないでしょうか。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな。垂れるほど人は見上げる藤の花」 今年の座右の銘にされてはいかがですか。


日蓮聖人ご遺文 『上野殿御返事』

富士上野に住む信徒の南条時光が元旦に続いて正月3日にも数多くの供養品を送ったことへの礼状です。
困窮する身延での聖人の生活を助けるため、頻繁に供養の品々を送り続けました。
聖人はその善根に対し、感謝するとともに一層の法華経信仰を督励されました。

弘安3年(1280)
聖寿59歳