お寺の手帖

「お寺の手帖」は暮らしの中で役に立つお寺の知識や、宗派や尊像など、
みなさまが興味をもたれるお話を当寺副住職がわかりやすく語ります。

今月の聖語 令和7年2月

2025年3月1日(土)

修行の肝心は不軽品にて候

『崇峻天皇御書』/
建治3年(1277) 56歳

=敬いの心が肝心=

「いい人に乗ってもらえてよかったです」。丁寧な運転と対応をしてくれたタクシーの運転手へお礼を言うと、こんな言葉が返ってきました。客という優位な立場からのハラスメント、SNSへの誹謗中傷の書き込み…。聞けば精神的に追い込まれている運転手もいるのだとか。
さまざまなハラスメントが取り沙汰される昨今です。嫌がらせを受けたときは上手に聞き流しましょう。嫌なことを言う人もどこかで同じ仕打ちを受けてきたのかも…、と少し気を落ち着かせて観察してみるとこちらの心にも余裕が出るはずです。
悪い行いは別の悪い行いを生み、優しい言葉は別の優しい言葉を生みます。どちらもやがて自分に返ってきます。常に相手を思いやり、互いに敬い合うことを忘れずに生活していくことで、みんなが幸せになれます。

◎日蓮聖人ご遺文
『崇峻天皇御書』

日蓮聖人の熱心な檀越・四条金吾に宛てた礼状で、殺害された崇峻天皇の例をあげ、法華経常不軽菩薩品に説かれる「我汝等を敬う」という行いを大切にするように教示されています。
建治3年(1277) 56歳