お寺の手帖

「お寺の手帖」は暮らしの中で役に立つお寺の知識や、宗派や尊像など、
みなさまが興味をもたれるお話を当寺住職がわかりやすく説明します。

今月の聖語 令和4年8月

2022年9月1日(木)

日蓮が色心仏になりしかば

父母の身もまた仏になりぬ

日蓮聖人御遺文『盂蘭盆御書』

解説   〜親子の繋がり〜
もし、あなたがすでにご両親を亡くされていたとします。亡き両親の幸せってなんなのかを考えてみてください。 供養してあげること? たくさん思い出してあげること? ずっと忘れずにいること?
どれも間違っていません。でもちょっと見方を変えてみましょう。生きていた時の両親の目線で。あなたが笑っていた時や嬉しかった時、きっと同じ気持ちだったでしょう。「我が心身は親がのこした体」。つまりあなたなのです。親子心身の繋がりは、たとえ時や場所が違っても切れるものではありません。あなたの心がけが、そのまま亡き両親に伝わります。
今月はお盆。ご両親が喜ばれるよう、自身の行いや思いを問い直してみる時なのかもしれません。
日蓮聖人ご遺文
『盂蘭盆御書』
本抄は、日蓮聖人がお弟子の日位上人の祖母に宛てたお手紙で、お盆のいわれを分りやすく説いた書簡です。供養品の返礼であるとともに、盂蘭盆の意味についての問いに、礼状に添えてその由来を書き送ったものです。授与者の名にちなみ『与治部房祖母書』という異称もあります。
弘安3年(1280)
聖寿59